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ハワイ島にあるケック望遠鏡の見学に行ってきた

目次





ケック望遠鏡とは


ハワイ島マウナケア山頂には世界各国の望遠鏡が集まっていることは先日もお話ししました。

ケック望遠鏡もその一つで、アメリカの実業家ウィリアム・マイロン・ケックの財団から寄付を受けて建設されました。
現在運営はカリフォルニア天文学研究協会が担当しています。

全く同じ光学系を2基揃えて観測を行っているという点が他にはない特徴となっています。
実際に見てみると本当に全く同じ外観のドームが2基ならんでいるため、ほかの望遠鏡と比べて目につきやすいと感じます。


DSC03368_R.jpg 
左からすばる望遠鏡、ケックIおよびケックII

それぞれの望遠鏡の口径は約10mと、すばるの8.2mを上回る大きさですが、こちらはすばるの一枚鏡と違い六角形の鏡を36枚つなぎ合わせることでこの口径を実現しています。

この望遠鏡の珍しいところは、地上施設・山頂施設とも一般の人が予約なしで内部に入れることです。
なぜそんなことに気づいたかというと、

Google Mapでレストランを探しているときに、おかしな場所にケックオブザバトリーの表示を見つけたからです。

こちらはハワイ島北部のワイメア地区という場所で、ショッピングモールなどがある普通の街です。

少し調べてみたところこちらは地上施設で中の見学もできるということがわかりました。
こちらがそのページ。
ケック望遠鏡の公式サイト内、Visitingのページです。

Visiting W. M. Keck Observatory

With the successful launch of the W. M. Keck Observatory Guidestar Program, residents and visitors of the Island of Hawai'i are encouraged to visit the Observatory's headquarters in Waimea. Our volunteers are available Tuesday through Friday from 10 a.m. to 2 p.m. to greet guests and educate them about Keck Observatory and the other Maunakea observatories.


”With the successful launch of the W. M. Keck Observatory Guidestar Program, residents and visitors of the Island of Hawai’i are encouraged to visit the Observatory’s headquarters in Waimea. Our volunteers are available Tuesday through Friday from 10 a.m. to 2 p.m. to greet guests and educate ”

「ハワイ島の住人やビジターはワイメアにあるケック望遠鏡本部に入ることができます。開館時間は火曜から金曜までの10時から14時、開館時間中はボランティアが説明員として常駐しています。」
という感じのことが書いてあります。

山頂施設についても同様の説明があり、こちらは月曜から金曜10時から16時のスケジュールで開館しているとのこと。

ということでケック望遠鏡、地上施設と山頂施設の両方に行ってきました。


地上施設


先ほどお話しした通り、地上施設はワイメアという街なかにあります。

入り口外観はこんな感じになっています。

 DSC02678_R.jpg

ケック望遠鏡を地上からコントロールする施設であり、ビジターが入れるのはその玄関部分のみ。
10m四方程度でしょうか。

そこにケック望遠鏡の構造や天文成果などが展示されており、そのほかに関連グッズなども販売されていました。
特にケックの能動補償光学については重点的に触れられていて、見ごたえのある展示でした。

ここでは主に写真でご紹介。

DSC02661_R.jpg
内部はこんな感じ。
正面にカウンターがあり、左右の壁に展示が並んでいました。

DSC02650_R.jpg
お約束の模型。
ちらっと見ただけだったのですが、この模型のおかげで後日訪れる山頂施設での理解が深まりました。

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ケック望遠鏡のガラスの大きさを模型で。

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なぜ一枚鏡よりも分割鏡がいいのか?の説明。
大きい・思い・メンテが大変
ということが書かれています。
すばる・・・・

DSC02662_R.jpg
ケック望遠鏡は世界で初めて太陽系以外の惑星系の直接観測に成功した望遠鏡だそうです。
これはその時の画像。

DSC02663_R.jpg
ペガスス座にあるHR8799という129光年先の恒星に3つの惑星を見つけたそうです。

DSC02647_R.jpg
続いて能動補償光学の説明。
注目すべきは1bにある「変形ミラー」ですね。
2に記載されている分光器で一部の光を受け、補正情報を変形ミラーに送ることで光学補正をかけています。
この技術が民生に降りてくるのはいつになることやら。
DSC02649_R.jpg
天王星を例にした補正前後の比較写真。
縞が見えるか見えないかの大きな違いが見てとれます。

 
DSC02648_R.jpg
さらに強力な能動光学補正を導入予定だそうです。
隣のふせんには「ハッブルの3-4倍鮮明になる!」と書かれていますが、どうなんでしょうか。

DSC02672_R.jpg
壁にはケック望遠鏡の星景写真も。
撮り方がわかるからこそ、この写真の価値が伝わってきます。
一般の人は日没後30分以内に下山しなければいけませんので、望遠鏡群の写真を星空と一緒に撮ることは叶いませんが、それでもいつか撮ってみたい写真です。


DSC02667_R.jpg
そしてグッズの販売も。

DSC02671_R.jpg 
ハワイらしくビーチタオルなんかも。


こんな資料をいただいてきました。
EPSON003_R.jpg

現在計画中のものも含む大型望遠鏡のミラーサイズを比較したインフォグラフィックです。
興味のある人はぜひ拡大してみることをおすすめします。おもしろいです。

右上に記載されている大きいのが現在絶賛建設中のThirty Meter Telescope(TMT)です。
その左下にあるのがすばる望遠鏡の8.2mの主鏡ですから、TMTがいかに大きな望遠鏡なのか理解できると思います。
しかもそれを上回る大きさのEuropean Extremely Large Telescope(E-ELT)なるものも計画されているそうで、今までとは一桁違う大きさの巨大望遠鏡が稼働する2020年代以降、どんな発見があるのか今から楽しみです。

左下には宇宙望遠鏡としてハッブルの口径も併記されていますが、その小ささに驚愕です。口径2.4mだそうですよ?
地上にある望遠鏡と比較するとかなり小口径な望遠鏡ですが、地球の大気の影響を受けない場所に設置することができればあれだけ素晴らしい成果を量産できるんですね。



山頂施設


せっかく山頂まで行くのですから、すばる望遠鏡だけではもったいないです。
ケック望遠鏡の内部にも入ってみることに。
場所はすばるのお隣です。

DSC03489_R.jpg
玄関に行くと目立つところに「Visitorはこちら」の表示があるので、迷うことはありません。

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中はそれほど広くはなく、展示としては地上施設とあまり変わりありません。
場所柄もあってあまり頻繁に更新されているわけでもなさそうです。

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そっけないドアですが、この先でケック望遠鏡を見ることができます。

DSC03493_R.jpg
で、入ってみたのがこちら。
正直よくわかりません。

先ほど地上施設で見た模型を思い出していただきたいのですが、
DSC02650_R.jpg
この見学室は、左右にある足場の下にあるようです。
これではよく見えないのも仕方ありませんね。
地上施設で模型を見ていたおかげで、これは望遠鏡が横倒しになっているんだなと理解できました。


DSC03502_R.jpg
これは副鏡部分ですね。

DSC03506_R.jpg
そして反対側には主鏡の一部も見えています。
さすがは世界一の精度を追求する鏡です。整然と並んだ六角形と相まってとても美しい姿でした。


まとめ


ケック望遠鏡の地上施設はワイメアにあり、展示がとても充実していたのが印象的でした。
アクセスもいいので興味本位にちょっと寄り道するだけでも十分楽しめると思います。
もちろん入場は無料ですし、ここでしか手に入らないグッズも置いてありました。

一方山頂施設は地上施設と比較すると展示は控えめですが、巨大な望遠鏡をこの目で見られるというのはなかなかできない経験です。
特に主鏡を見ることができたのはとてもうれしい誤算でした。
もしすばるの見学に行かれる方は、ついでにケック望遠鏡も覗いてみるといいと思いますよ。




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