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第3回野辺山観測所 星空撮影会に参加してきた

長野県南牧村にある国立天文台野辺山観測所で6月8日に開催された星空撮影会に参加してきました。


第3回野辺山観測所・星空撮影会


国立天文台 野辺山 | イベント | 第3回 野辺山観測所・星空撮影会
当初5月18日の開催を予定していたのですが、悪天候により6月8日に順延となったものです。
せっかく延期してまで開催してくれたのですが、天気のほうは予報が悪いほうに外れてしまいました。
午前中はよく晴れていたのですが、受付開始の15時半ごろになってパラパラと雨が降り始め、その後断続的に強い雨が続く空模様となり、しまいには遠くのほうでは雷まで鳴り始める始末。
結局イベント終了の24時まで天候は回復しませんでした。

雨さえ降らなければ雲のタイムラプスを形にすることもできるかと思ってはいたのですが、
タイムラプスで使うような超広角レンズはフードも浅く、おいそれとレンズキャップを外すこともできないような状況で全く出番を作ることができませんでした。
結局フードの深めな中望遠レンズで記念撮影程度の写真を数枚撮るのが精一杯となってしまいました。
DSC07619_R.jpg


DSC07617_R.jpg
青空じゃないですよ、全部雲ですからねこれ。

そんな中でもスタッフの皆様が気を回してくださり、普段は見ることのできない45mアンテナの観測室の内部を見学させてもらえることに。
写真とともにレポートしたいと思います。以降は記録写真なのでそのつもりでどうぞ。

 

45mアンテナ観測室


現在観測で使用されている機材。
もちろんこのほかにもアンテナ自体の建屋に撮像装置等あるのですが、
だいぶコンパクトに収まっているものです。
DSC00072_R_R.jpg

完成した1981年からの技術の進歩により、ラックマウント数本とPC数台で制御観測まで可能になったということでしょう。
逆に言うと45mアンテナ自体は30年以上経ってもいまだ現役ということ。
カメラ本体と交換レンズの関係と一緒ですね。

そんな技術の進歩を実感できるのが次の2枚の写真。
DSC00081_R.jpg
これは45mアンテナが稼働した当初に使っていた記録用テープ。なんとこの1巻で45mアンテナの観測時間7分の記録しかできなかったそうです。
そのため一晩の観測となるとこのテープが背の高さほどに積みあがったそうな。
「観測の間はまるで奴隷のようにテープを交換し続けた」とはテープを抱えたスタッフ、御子柴さんの言。

それがカセット式になったときの喜びの顔がこちら。
DSC00084_R.jpg
このカセットで70分ほどの記録ができるようになったそうです。
それでも70分?と思ったのですが、御子柴さん曰く「食事をゆっくりとれるようになった」のだそうです。
そう言われればこのうれしそうな顔も納得です。

もちろん今では一晩の観測データはディスク1枚に収まるそうですよ。
具体的な容量は聞きそびれましたが。

観測室内には他にも興味を引かれるものがたくさんありましたが、そんな中で特に気になったのがこちら。
DSC00062_R.jpg 
手書きの観測概要。
ただそれだけなのですが、こういう手書きメモを見ると本当にあの大きなアンテナが実際に観測に使われていることを実感します。
一般のカメラを使って可視光のみの領域で天体観測をしていると電波望遠鏡は直感的に理解するのが難しかったりするのですが、
この部屋から巨大なアンテナを使って天体観測をしている人がいるんだな、と想像が広がります。

DSC00056_R.jpg
こちらはさらに身近になって、オリオン座分子雲を観測対象にしています。
オリオン座分子雲と言っても範囲は非常に広いのですが、実際にオリオン座のどこを観測しているのでしょうね。
こちらも想像が広がりますね。

あとこの置時計欲しい。見づらそうだけど。
DSC00065_R.jpg


このほかにも観測所内の機材についてより高度な解説をしていただいたり、
4D2Uシアターで星に詳しい人向けにアレンジしたプログラムを見せていただいたりと、
撮影はできないながらも室内であれこれ楽しませていただきました。

解説をしてくださるスタッフの方の楽しそうな顔が印象的でした。
皆さん本当にこの仕事が好きなんだなぁというのが伝わってくる、とてもいい雰囲気の撮影会となりました。
DSC00074_R_2018061222513610d.jpg


まとめ


貴重な機会を用意してくださった国立天文台野辺山のスタッフの皆様に感謝をお伝えしたいと思います。
本当にありがとうございました。

撮影終了23時半・撤収完了が24時という予定でしたが、スタッフの側からすれば24時まで「残業」です。
後処理を含めればもっと遅くまでかかることでしょう。
にもかかわらず最後まで天候の回復を待ちつつ私たち参加者が有意義な時間を過ごせるよう配慮してくださいました。

雨模様だったのは本当に残念でしたが、私たち参加者以上にスタッフの皆様が悪天候を残念に思っていたことでしょう。
観望会を開く側が晴れを願う強い気持ち、とてもよくわかります。
ぜひ今後も継続的に開催していただけるようお願いしておきました。

実は前回の第二回も当選していたので、今回はダメだろうと思っていたのですが意外にも当選してしまいました。
過去2回どういう基準で選考したのかはわかりませんが、次回があればきっとまた応募します。
ちなみに前回も雨で中止でしたよ・・・。


おまけ ー光害の話ー


最後に少し光害の話を。

天体写真家の天敵、光害。少しでも暗い夜空を求めてあちこち出かけるわけです。
星の光はとても弱いため少しの人口の光でも影響は無視できません。
これと同様に電波観測を行う野辺山の天文台にも「光害」ならぬ「電波害」というものがあります。
電子レンジ、携帯電話やその基地局、航空無線等々。
最近では運転支援機能を搭載した自動車がミリ波レーダーを使うため、近い周波数で観測している45m天文台には特に深刻な影響を及ぼすそうです。

1981年の建設当初と比べると無線通信を行う機材は爆発的に増えています。
私たち一般人にできることはそれほど多くないのかもしれませんが、
構内の見学中は携帯電話を機内モードまたは電源を切るのはもちろんのこと、
夜間に近隣で天体観測や写真撮影をする際も同じように電波のケアをしたいものです。



*この記事に使用している写真は野辺山観測所の星空撮影会の中で撮影したものであり、通常の見学ルートからは撮影することができません。
*スタッフの写真含めすべての写真は掲載許可をいただいています。
*(この記事に限らずブログに掲載しているすべての)写真の無断使用はご遠慮ください。

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2Comments

There are no comments yet.

namihei

こんにちは。

貴重な体験でしたね。天候は残念でしたが、普段入ることができない巨大望遠鏡のそばまで行かれたんですね。天の川と絡めてタイムラプス撮影ができたら最高でしょうね。

また次回、リベンジを期待しています!

Aramis

ありがとうございます。
天候は本当に残念でしたが、こうやって記事にまとめたことで天文台のスタッフにも読んでいただけたようで何よりです。
今回の訪問では野辺山観測所のある南牧村自体の魅力もいろいろと発見できたので、この夏は通いたいと思います。

  • 2018/06/13 (Wed) 22:01
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