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韮山反射炉はいいぞ

Twitterで力説した韮山反射炉の話を改めていたします。


静岡県伊豆の国市にある、国内で唯一現存する反射炉です。

詳細は説明は公式サイトにもありますので割愛しますが、
非常に簡単に言うと鋼鉄製の大砲を鋳造するための建築物です。

2019年4月1日から4月8日までの期間、夜間会館及びライトアップが行われるということを聞きつけ
行ってみることにしました(ライトアップは3月20日から4月8日まで)。
タイミングが良ければ桜と一緒に収めることも可能かもしれません。

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現地到着は17時ごろ。

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柵の外からでも十分に撮影できる環境のようですが私は反射炉自体にも興味があったので中へ入ります。
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資料館には建設に使用された部材の一部や反射炉で製造された大砲の一部やその説明など、
とても興味深い展示品が数多く並んでいました。

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それに加えて、プロジェクションマッピングを使用した反射炉建設ムービーが15分ごとに上映されていました。
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このムービーがまたとてもよくできていて、わかりやすくかつ迫力ある解説となっていて、あっという間に見終わってしまいました。


館内を一通り見て回って、程よく暗くなってきたところで反射炉のある屋外へ。

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夕暮れ時となり、刻々と空の色が変わっていきます。
この時はまだライトアップ前。


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偶然にも4本ある反射炉の間に夕陽が落ちていく瞬間をとらえることができました。
これが見られるのは1年の中でも限られた時期だけだそうです。

そして反射炉へのライトアップが始まります。
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暖色に寄りすぎているような感じもしますが、ライトアップの手法自体はきちんと考えられているようです。

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安全も兼ねてか、地面にも控えめなイルミネーションが。

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ちょうど桜の満開時期となったおかげで、ライトアップされた反射炉との組み合わせで撮影することができました。

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それにしても感心するのは桜の木の配置。
反射炉を邪魔しないように、そして反射炉を生かすように適切な距離を保ちつつ、炉を取り囲むように配置されています。
桜と反射炉をまとめて画角に入れようとするとこれが絶妙にいい感じの配置になってくれます。
時間を忘れてシャッターを切ってしまいました。

ところで話はこれで終わりません。
施設の中には、説明をしてくださる方が何人かいらっしゃり、反射炉についての非常に興味深い解説を聞かせていただくことができました。

幕末から明治にかけて、外圧にさらされた日本が危機感を覚え、国を挙げて近代化へまい進していく時代は本当に興味深いです。
「お台場」という場所がありますが、由来が大砲を置く「台場」からきていることをご存知の方は多いでしょう。
その大砲を製造していたのがここ韮山反射炉であることはあまり知られていないかもしれません。
私も解説を聞くまで知りませんでした。

「炉」というくらいですから、鉄鉱石を溶かすだけの熱(1500度程度)を発生させなければいけません。
それを実現するには炉の天井の形状に工夫が必要だったようです。
文字通り燃やした燃料から発せられた熱を一度炉の天井に「反射」させて鉄鉱石へ届けたそうですが、
そうなるとおそらく天井を放物面に加工する必要があったのではないかと推測します。
しかも2次元曲面ではなく3次元曲面で。
それをレンガ造りで実現させたのだから恐れ入ります。

現代から見ても鉄鋼業がどれだけ大切な産業かは理解しているつもりですが、
その礎となった施設がこうして現存しているというのは本当に感慨深いです。

この反射炉建設を主導した江川太郎左衛門英龍(江川英龍)は相当すごい人だったそうです。
一つだけエピソードを紹介します。
当時身分制度が廃止された直後の日本において、
いわゆる「一般人」を戦力化するための訓練の手法として「右向け、右」という号令を導入した人だそうです。
大砲というハードを整備するだけにとどまらず、ソフト面の底上げにも気を払っていたのですね。

歴史の勉強の中では、「士農工商という前時代的な身分制度の廃止」という近現代への一歩として明るく語られることが多い身分制度廃止ですが、
実際は「士」以外に武器を持たせて海外に対抗できる兵力とする、という目的があったのではと思いを馳せることもできます。

そのほかに興味深い話をたくさん聞かせていただくことができました。
貴重な資料とプロジェクションマッピングに加えて、反射炉とそれにまつわる様々な話を聞かせていただき、気兼ねなく三脚を立てて桜と反射炉の撮影もさせてもらって。
これで500円は格安です。

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ちなみに柵の外側から撮影するとどうやっても桜と反射炉がかぶってしまいます。

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離れて撮ってもこんな感じ。
中に入らないと撮れない写真があるんですよね。
今回ばかりは入場料をケチって柵の外から撮っている人たちに残念な気持ちになりました。

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中に入っているのは観光でいらしている方と私だけ。
入場料を払わずに外側にいるのは大きなカメラを持っている人ばかり。
風景写真を撮る人っていうのは上達すればするほど、
ある特定の場所に特定の時間を訪れて狙ったシチュエーションの写真が撮れればすぐにその場を後にする、という習性があるのはよく理解できますが。
資料館の中の展示や反射炉の前での解説を理解したうえでの撮影となるとまた違った見方もできるようになります。
せっかくここまで来たのだから500円をケチらずに中に入ればいいのに、という気持ちになってしまいました。
まぁそのおかげで私は誰にも気兼ねせずにのびのび写真を撮ることができたわけですが。

遠征に来たらできる限り遠征地にお金を落としたいな、と思ったAramisでした。





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