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【レビュー】Sony FE35mm F1.8(SEL35F18F)の星空性能をチェックする

ソニー純正のEマウント フルサイズ対応の35mmレンズというと、解放絞りF1.4のSEL35F14ZとF2.8のSEL35F28Zの2種類がありました。
この間を埋める解放絞りF1.8またはF2.0のレンズが長い間欠落していましたが、2019年8月30日にFE35mm F1.8(SEL35F18F)というフルサイズ対応35mm解放絞りF1.8のレンズが発売され、その間がやっと埋まった形となりました。

星景写真で35mmを使う私はというと、純正F1.4はEマウント初期の設計なので性能にもあまり期待はできない割に高いし重いしということで敬遠。一方のF2.8は暗くて星には使えないだろうと判断してこちらも見送り。35mm F1.8のレンズを心待ちにしていました。

ということで早速お買い上げ。
DSC02538_R.jpg
フルサイズカメラα7IIIに装着するとこんな感じ。

DSC02536_R.jpg
マウント径とあまり変わらない太さということもあり、コンパクトに見えます。

DSC02539_R.jpg
APS-Cカメラα6400に装着するとこんな感じ。

DSC02529_R.jpg
サイズ感的にはこちらのほうがバランスがいいくらいコンパクトなレンズです。
ちなみにフィルター径は55mm。これでフルサイズ対応F1.8というのだから驚きです。
CanonのEF35mmF2 IS USMのフィルター径は67mmでしたからね。

フルサイズカメラにつけて35mmとして使うのはもちろんのこと、APS-Cセンサーのカメラに装着して52.5mm相当として日常使いにするのにも都合がよさそうです。とはいえやはり気になるのはフルサイズセンサーにおける星の描写性能。さっそくテスト撮影してきました。

使ったカメラはα7III、周辺光量補正と倍率色収差補正はオート、歪曲収差補正はオフです。赤道儀には載せずに固定撮影としています。シャッタースピードはすべて10秒に固定したうえで、ノイズリダクションオフ、絞りF1.8・F2.0・F2.2・F2.5・F2.8まで1/3段ずつ絞って撮影、ISOを3200から1/3段ずつ調整して露出を合わせています。現像に際してレンズプロファイルは適用せず、ホワイトバランスの調整のみでjpg出力しています。
被写体は夏の大三角。

DSC00672_R.jpg


DSC00673_R.jpg


DSC00674_R.jpg


DSC00675_R.jpg


DSC00676_R.jpg

んー。ちょっとわかりづらいですかね。右下を拡大してみましょう。
20190914_01.jpg

明るい星はこと座のベガです。
DSC00672.jpg
さすがにコマフレアが出ていますが、1等星(実際にはゼロ等級)であるベガだけにしか出ていないと見ることもできます。こと座を構成するほかの星(3-4等星)でもわずかにコマフレアが見られる程度。かなり素晴らしい性能だと思います。ただ青ハロはちょっと目立つかな、という感じもします。

DSC00673.jpg
F2.0まで絞るとコマフレアは減りますが、それでもまだ若干残る感じ。青ハロもまだ残っていますね。


DSC00674.jpg
F2.2になるとコマフレアはほぼ解消。ただし星の形は菱形でまだいびつ。


DSC00675.jpg
F2.5になるとコマフレアは解消。青ハロもだいぶ解消した感じがします。

DSC00676.jpg
F2.8になると諸収差は概ね解消。画面右下方向への伸びは星の日周運動によるところが大きいと思われます。

GIFも作ってみました。
固定撮影ですので星が少しずつ流れていますがご容赦ください。
SEL35F18Corner.gif
こうやって比べてみると、確かにF2.8まで順当にベガの星像が小さくなっているのがわかります。問題はどこで妥協するか。そのラインは人それぞれなのでしょうけれど、F2.2まで絞れば妥協できそうな感じがします。
一方で、F1.8→F2.0の改善とF2.0→F2.2の改善の度合いは後者のほうが顕著です。1等星レベルの明るい星を画面の四隅に配置しなければ、思い切って絞り開放F1.8で使ってしまうという運用もありかもしれません。


参考に今まで使っていたCanon 35mm F2 IS USMのコマフレアを載せておきます。
こちらのレンズは絞り開放ではコマフレアがひどいものの、F4まで絞っていくと目に見えて改善するというわかりやすいレンズでした。
DSC09399_Trim.jpg
絞り開放F2.0の派手なコマフレアを見てしまうと、やはりSEL35F18FのF2.0のほうがよさそうですね。

DSC09400_Trim.jpg
F2.8でもこのコマフレア。
SEL35F18FがF2.8で概ね諸収差がなくなるのと比べると1段の差がありますね。

DSC09401_Trim.jpg
F4まで絞るとほぼコマフレアがなくなるという、ある意味で分かりやすいレンズではありましたが、赤道儀に載せない固定撮影、35mmで星が流れを許容できるシャッタースピードは10秒。となるとやはりF4では厳しいものがあります。

SEL35F18Full.gif
周辺減光の確認のため、トリミングなしの画像でGIFアニメを作ってみました。そもそも明るい天の川を画面中心付近に持ってきてしまっているためわかりづらい例になってしまっていますが、概ね絞り値と共にリニアに改善していくという感じです。ただしF2.8でも完全にフラットにはならないようなので、Photoshopのレンズプロファイルが出てくるのを待ちましょう。

せっかくなので中心部の星像も載せておきます。
トリミング設定をミスって正確な中心部になっていませんが・・・。
20190915_01.jpg
同じ夏の大三角を撮影した画像の中心部を切り出しています。

DSC00672C.jpg


DSC00673C.jpg


DSC00674C.jpg


DSC00675C.jpg


DSC00676C.jpg

こちらは絞り値による変化がほとんど見られません。
あえてコメントするのであれば、画面端のベガでピントを合わせると中心部はピントが無限遠からわずかにずれるということでしょうか。ピント合わせの際は画面の中心と端の中間あたりで合わせるとよいのかもしれません。



ところでこのレンズ、実売7万円程度というお値段がついています。Sony純正レンズ、フルサイズ対応で解放F値F1.8。重さ280g、フィルター径55mmというコンパクトサイズでありながら星を撮るのにF2.2くらいまで絞れば十分、場合によっては解放F1.8すら使えるという性能を考えると、正直これはバーゲンプライスと言っていいと思います。
しかもAPS-Cセンサーのカメラに装着して52.5mm相当の標準レンズとしても使えるとあらば、購入しないという選択肢はありませんでした。悩むことなく発売直後に買ったのはやはり正解だったようです。これからは普段使いに星景写真にと活躍してもらいましょう。







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2Comments

There are no comments yet.

namihei

35mm F1.8、素晴らしそうですね。しかも小型軽量ということでそそります。
しかし、ソニーが発売するレンズって2年前あたりから急に性能が上がってきたような。なんらかのブレークスルーがあったんですかね。

Aramis

Aramis

Re: タイトルなし

GMレンズをリリースし始めたころからGMに限らずGや無銘も含めどのレンズも一気にクオリティが上がった感がありますよね。35mm F1.8を待ち続けた甲斐がありました。シミュレーション設計の進化と製造品質基準の見直しあたりが効果を上げているのではないかと想像しています。
ホント35mmF1.8は欠点の見当たらないレンズでおすすめです!

  • 2019/09/25 (Wed) 00:21
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