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12V赤道儀をUSB PDで駆動させたい

USB PDを使えば、モバイルバッテリーでDC12Vの赤道儀を運用できるのでは?というお話。
*電気の話なので間違いがあるかもしれません



COVID-19の影響で、2020年4月に予定していたオーストラリア遠征がキャンセルになってしまいました。星景写真やドローンなどの撮影ポイントはもちろん観光地についてもほぼ調査が終わっていたところだったのですが仕方ありません。残念ですがまたの機会を待つことにします。

ところでこの遠征の後には本格的な機材の更新も考えていました。
赤道儀 SWAT-350
鏡筒 BORG 90FL
カメラ 天体改造α7s
主にこの組み合わせで天体の撮影をやっていますが、そろそろ焦点距離・露光時間とも伸ばしていきたいところ。そのためにはバルブ撮影での星喰い現象があるα7sから脱却するとともに、オートガイドありで2軸の赤道儀を導入してしまいたいところ。

赤道儀の選択肢はあれこれありますが、何より解決しなければいけないのが電源問題。ある程度大型の赤道儀は基本的にDC12Vかそれ以上の電源を要求します。国内での使用であればポータブルバッテリー(据え置き型でハンドルがついていたりするアレ)を使えばDC12Vを確保するのは難しいことではありません。一方で海外遠征となると機内に持ち込めるバッテリーに制限があるため、ちょっと面倒になります。

私が比較的小型の赤道儀にこだわっている理由もそこにあったりします。海外遠征の可能性を考えると、大規模な電源を要求するシステムにしたくないという。

さて2020年6月現在、いわゆるモバイルバッテリーの機内持ち込みに関する規制は以下の通り。
・預入手荷物は容量を問わず不可
・160Wh以上のバッテリーは機内持ち込み不可
・100Wh以上160Wh未満のバッテリーが2個まで
・100Wh未満のバッテリー持ち込みは個数無制限
という感じです。もちろん各航空会社によって微妙に基準は違ったりするのですが。

これを前提に改めてモバイルバッテリーを見渡してみると、100Whの上限ギリギリとなる26800mAh(3.7V換算)のバッテリーが一つの最大容量として販売されているのがわかります。
話を簡単にするため27000mAh(ほぼ100Wh)のバッテリーで12Vの赤道儀をどれだけ駆動できるのか考えてみたいと思います。

例えばCRUX140Travelerを見てみると。
恒星時駆動:0.3~0.5A/12V DC

最高速駆動:1.5~2A/12V DC

とあります。

恒星時駆動であれば1時間あたりの電力消費量は12V*0.5A=6Wとなります。3.7V・27000mAhのモバイルバッテリーでも100/6Wh=ほぼ16Hとなり、諸々の変換ロスなどを考慮しても、真冬の寒い時期に一晩運用することは可能に思えます。
ただしこの計算では最高速駆動の際の電流を全く考慮していません。モバイルバッテリーの供給能力は一定であるため、電圧を上げれば電流は下がるはずです。仮に5V*3Aの供給が可能なバッテリーがあったとして、それを12Vに昇圧すると1.25Aとなります。USB-Aから出力するモバイルバッテリーで24W(最高速駆動時の12V*2A)供給可能なものはほとんど皆無と言ってよいでしょう。

ただし、USB PDを使えば話は変わってきます。規格上100Wまで供給可能であり、2020年6月現在100Wまではいかないにしろ50W前後の供給が可能なモバイルバッテリーが見つかります。

たとえばこちらは容量20000mAhながらも60W出力


こちらは100Wh制限ギリギリとなる26800mAhの容量で45W出力

45W出力できれば、最高速駆動時の12W*2A=24Wには余裕があります。

ところでUSB PDはケーブルが両サイドともUSB-Cであり、かつ給電受電側の両方のデバイスがUSB PDに対応していなければなりません。もちろん赤道儀は一般的なDCプラグなので、規格上USB PDで赤道儀に給電することは不可能です。が、あるんですよAli Expressに。

USB-CからDC 5.5mm 2.1mmに変換するケーブルです。USB PD供給のためになにがしかのダミー回路が入っている様子。いやいやそんな怪しげなの電源に使えないよと思うのですが、先ほどのCRUX140Travelerとは別のハーモニックドライブ赤道儀、RST-135を開発したRAINBOW ASTRO社のブログに「USB PD使えばモバイルバッテリーでいけるよ!」と書いてあるので、行けちゃうのでは?と思ったりします。


一般的には、撮影地での赤道儀の駆動にはポータブルバッテリー


を使うことが多いようです。こちらの容量は150Whなので実は機内持ち込みも2個までなら可能。ただ、このでっかい手提げバッテリーを持って空港の保安検査場を何事もなくスルーできるとはどうしても思えません。できるはずなんですけど。海外の空港なら確実に説明を求められますよね。
加えて重量を見てみると、2個で2.6kg程度。先ほどの45W出力可能なバッテリーは3個で1.8kg。どちらも総容量は300Whで同じです。手提げバッテリーはDC12VとAC電源が直接取り出せるというアドバンテージはあるものの、純粋に赤道儀駆動のみに特化するならモバイルバッテリーでもいいよねと思うところです。ちゃんと動けばの話ですが。

*電気の話なので間違っているかもしれません。大事なことなので2回言いました。


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2Comments

There are no comments yet.

だいとしぃ

トリガーデバイスで、使えると思います。
AliExpressで自分も赤道儀ではありませんが使ってます。
http://aramister.blog.fc2.com/blog-entry-430.html
ただし、15Vへの変換でなく12Vへの変換を行ったほうが良いと思います。
USB-PD15V→DC-DC変換→12V→赤道儀だと、電流値にもよりますが、DC-DC変換のところで結構熱が出ます。
PDで12V出力は、古い規格なのですが、バッテリーによってはサポートされており、トリガーデバイスも12V出力可能なので、探してみては?(自分は何とかなりました)

  • 2020/06/20 (Sat) 11:00
  • REPLY
Aramis

Aramis

Re: タイトルなし

コメントありがとうございます。
その後国内でも同じ製品の扱いを見つけ、15Vと12Vの両方を注文してみました。
物によっては15V駆動もあるので、用途に応じて使い分けてみようと思っています。

私にとって赤道儀や冷却カメラ運用の一番のハードルは電源なのですが、
皆さんポータブルバッテリーやディープサイクルバッテリーを当然のように使っているので、
モバイルバッテリー運用の例が出てこないんですよね。

今後人柱になってそこのところを開拓していければと思っています。


  • 2020/06/23 (Tue) 18:35
  • REPLY