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ASI2600MC Proの画像処理で躓いた話

天体用冷却カメラ ZWOのASI2600MC Pro(以下2600MC)を導入して遠征に出かけて素材を撮影してきました。処理をしていていきなり躓いたので、記録として残しておくことにします。

要約すると以下の通りです。

ASIAIRで撮影したライトフレームとSharpcapで撮影したダークフレームはベイヤーパターンが違っていて、これらを使ってダーク減算すると画像処理ができなくなる。ASIAIRを使う場合はダークフレームもASIAIRを使ったほうがいい。

という話です。

気づくのにだいぶ時間がかかってしまいましたがまとめてみます。

2020年12月7日

2600MCが届いたので、まずは動作確認を兼ねてダークだけでも撮っておこうということでデスクトップPCにSharpcapを入れてダークを撮影。
ASIAIR Proの組み上げ・動作確認を兼ねて自宅の曇天を利用してフラットとフラットダークも撮影。
DSC08798_R.jpg


2020年12月12日

育樹祭記念広場に持ち出してASIAIR Proでライトフレームを撮影。
DSC06216_R.jpg

ステライメージ7でダーク補正・レベル調整・ホットピクセル処理・フラット補正を行い、ベイヤー・RGB変換をしたところ、こんな画像が出てきました。緑。
20201221_06.jpg

ホワイトバランスがずれているだけかなーと思い処理を進めたのですが、RGBのバランスをいじって背景をグレーにすると赤い星雲が消えてしまいます。
20201221_07.jpg

問題を切り分けるために上記処理をそれぞれ一つずつ省略して検証みたところ、ダーク補正を行わなければこの問題は出ないことが判明。

とりあえずダーク補正なしで進めてみることにして改めて最初から処理をしてみると、今度はフラット補正が過補正になってしまいうまくいきません。
20201221_08.jpg
まぁ普通に考えるとフラットフレーム撮るのミスったね、ってなりますね。

2020年12月18日

ということでこの日の遠征では眠いのをガマンして撮影直後に夜明けの薄明でフラットを撮影してきました。
DSC00841_R.jpg
これならフラットが合わないなんてことないでしょう。と思って処理してみましたが、やっぱりフラットが合わずに過補正になる。いやさすがにそれはおかしい・・・。


以下検証

色がずれることを承知のうえでダーク減算をしてフラット補正をかけた画像を見てみると、フラット補正はほぼ正しく処理されていることがわかりました。
20201221_09.jpg
問題の切り分けの結果からも、やはりダークフレーム/ダーク補正が怪しそうです。ここまで色がずれるとなるとベイヤーパターンがおかしいっぽいなーと思い、ライトフレームとダークフレームをASI FITS Viewで見てみます。このソフト、FITSファイルのプレビューができるだけでなくヘッダー情報まで出してくれるのでとても便利です。入れておいてよかった。

ライトフレーム↓
20201221_10.jpg
ベイヤーパターンRGGBとあります。

ダークフレーム↓
20201221_11.jpg
ベイヤーパターンGBRGとあります。
しかもご丁寧にPixinsightなどではRGGBを使ってね、なんて書いてあります。

やはり原因はこれのようです。
ダーク補正の際、ライトフレームのR画素をG画素で、G画素をB画素で、G画素をR画素で、B画素をG画素でそれぞれ減算していたため、正しい減算処理ができずにカラーバランスが極端に偏ってしまったというのが真相のようです。

ちなみにベイヤーパターンとはセンサーの左上2x2に位置するカラーフィルターの配列がどうなっているかの記述で、下記のような配列であれば左上からRed、Green、2行目Green、Blueという配列のためRGGBと呼ばれます。

下記のような配列であればGBRGと呼ばれます。

SharpCapを使うとGBRGで記録されてしまう理由はよくわかりません。一通り設定を見てみましたが、ライブスタックの現像設定でベイヤーパターンをどうするかの設定はあったものの、保存に関するベイヤーパターン項目は見つかりませんでした。
また、ステライメージ側ではベイヤーRGB変換の時以外にベイヤーパターンを変更することはできないため、ベイヤー画像同士で行うダーク減算ではソフト側での補正は不可能。

ということでダークフレームもASIAIRで撮影すればこの問題は回避できそうということがわかったので改めてASIAIRでダークを撮影してあれこれ処理したのがこちら。
IC434_20201221.jpg
ふむ。うまくいきましたね。よかったよかった。




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4Comments

There are no comments yet.

botch

SharpCapではGBRGと書いてありますが、中身はRGGBのままです。自動でデベイヤーするとおかしな結果になります。
私は、ずっと"手動"で"RGGB"に設定して処理してます。

  • 2020/12/22 (Tue) 13:55
  • REPLY
Aramis

Aramis

Re: タイトルなし

そうなのですね。
ソフトによっては手動でベイヤーパターンを指定できるものもあるのですが、ステライメージはベイヤー状態でパターンを変更することはできないようで、ヘッダー情報を読んで決めてしまっているのかもしれませんね。
ヘッダーを編集してRGGBに書き換えることができれば、Sharpcapで撮影したデータをステライメージでも正しく処理できるようになるかもしれません。

  • 2020/12/22 (Tue) 23:54
  • REPLY

botch

ステライメージで、画像→ベイヤー・RGB変換で、カラーフィルターのところを手動にすればできますよ

  • 2020/12/23 (Wed) 10:00
  • REPLY
Aramis

Aramis

Re: タイトルなし

ベイヤーRGB変換の際にベイヤーパターンを指定できるのは知っているのですが、ベイヤーのままで処理するダーク減算の際に、ベイヤーパターンを指定することはできないと理解しているのですが、それもどこかで指定できるのでしたっけ。

  • 2020/12/25 (Fri) 08:43
  • REPLY