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11月8日遠征記録 快晴の皆既月食を育樹祭記念広場で見る

皆既月食の観測のため、山梨県の育樹祭記念広場へ行ってきました。

前回の育樹祭訪問は2022年1月4日。10か月ぶりとなりました。

単に皆既月食を見るだけならば自宅のバルコニーからでも十分なのですが、この日は星沼会としてサイトロンジャパンのYoutubeライブ中継に参加するため、メンバー数人が安心して機材を広げられる場所として育樹祭記念広場をセレクト。

星沼会関東チームのぐらすのすち氏、丹羽氏、そのほか丹羽氏の友人の檜木氏など、総勢5名で配信に臨みます。16時ごろに現地集合、芝生広場に大量の機材を持ち込みます。
月だけを追いかけて映像を配信するための望遠鏡と赤道儀、三脚、バッテリー、広角での撮影用にカメラとレンズと三脚を数本、配信作業で使用するPC用のテーブルやイス等々・・・

ぐらすのすち氏は撮影機材に加えて配信用のミキサーやマイク、照明等も用意してくれていますし、丹羽氏は月だけを追いかける私の望遠鏡につないで映像配信するためのPCと、観望(望遠鏡を直接覗いて見る)用の望遠鏡を持ってきてくれました。

月食の開始は18時過ぎと暗くなってからあまり時間がありません。急いで赤道儀を設置し、暗くなって北極星が見えてくるのを待ち構えます。幸い18時前には極軸合わせが終わり、望遠鏡のフォーカスもOK、月を視野に入れて準備OKとなりました。

ここから先はぐらすのすち氏と丹羽氏におまかせ。
ぐらすのすち氏には撮影地からの中継映像を、丹羽氏には私の望遠鏡で捉えた月の映像をそれぞれ担当いただきました。特にぐらすのすち氏は音声のコントロールもやっていただき、八面六臂の活躍。いつもお世話になっております・・・

天気のほうは文句なしの快晴。月が欠け始めてしばらくすると広場にもちらほら人が増え始めます。配信しているPCに映し出されている月の様子を見てもらったり、丹羽氏が持ってきていた望遠鏡を覗いてもらったり、皆既中に見やすくなった星空解説をして差し上げたりと、とても楽しい時間を過ごすことができました。

「天の川初めて見た!」
「はくちょう座を十字として認識できたのは初めて!」
「望遠鏡で見ると肉眼の500倍くらい星が見える!」
「アンドロメダ銀河って本当にあるんだ!」
「すばるめっちゃキラキラ!」

等々うれしいコメントをたくさんいただいてきました。

配信や一般の方とのお話のおかげで自分の撮影はあまり捗りませんでしたが、いくつか撮影はできたのでご紹介しておきます。

配信中の現場はこんな感じ。
DSC09616-ARW_DxO_DeepPRIME_R.jpg

右奥に並んでいる2台の望遠鏡で月を追っています。
右手前には配信用のイスとテーブル、中央には丹羽氏の持ってきてくれた観望用の反射望遠鏡R130sfを、左側に普通のカメラを置いて撮影していました。

皆既の時間帯に南側を魚眼レンズで撮影。
左端からプレアデス星団、皆既中の月、中央が木星、右端にはぼんやりと天の川が写っています。
DSC09610-ARW_DxO_DeepPRIME_R.jpg

同時刻の北側、秋の天の川と皆既中の月が写っています。
DSC09613-ARW_DxO_DeepPRIME_R.jpg

皆既中は月が暗くなるため、月に邪魔されて見えなかった暗い星々がはっきり認識できるようになります。

それを望遠レンズで狙うとこんな感じでプレアデス星団と一緒に写すこともできます。
DSC09609-ARW_DxO_DeepPRIME_R.jpg
暗いですが左下に写っているのがプレアデス星団です。
α6400+SEL70350Gの70mmで固定撮影。

同じレンズを望遠端にして月だけを狙ってみました。35mm換算525mm相当ですね。
DSC09607-ARW_DxO_DeepPRIME_R.jpg

α6400には魚眼を付けたり望遠ズームを付けたりして一発撮りで運用していましたが、もう1台α7IIIのほうは完全固定撮影で月食の全行程を狙ってみました。

下調べでは20mm縦構図であれば18時から22時までの全行程がほぼ対角線で入りそう。食の最大となる20時頃の時点で画角の中心を通るようにするにはどうすればいいか悩みましたが、17時の時点における木星の位置からこんなもんだろうと目星をつけてカメラを設置して、1分ごとに撮影。
露出設定をいちいち変えていられないのでカメラ任せにして出来上がったのがこちら。


月が画面のほぼ中心を通過していく様子が捉えられました。やったね。皆既中の月の露光設定をミスっていて白飛び気味ですが、ここはカメラ任せにしたので仕方ありません。たぶん私は星が撮りたかったんだよ。月食で月が暗くなっていくにつれて星が見えてきて、食の最大を挟んで星が見えなくなっていく過程を表現することができました。月さえ見えればどこでも月食を見ることは可能ですが、空の暗いところに行かないと月と星を両立させる表現はできません。
わざわざ育樹祭記念広場まで行った甲斐があるというものです。

とても楽しい一晩となりました。





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  • 2022/11/10 (Thu) 22:15
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Aramis

Aramis

Re: No title

おひさしぶりです!そしてコメントありがとうございます!
登山と星とおっしゃっていたので将来有望な学生さんだなぁとは思っていましたが、望遠鏡を手に入れたのですね。
おめでとうございます!
先日の皆既月食、関東はどこもよく晴れてばっちり観測できたのではないでしょうか。

長野にはたくさんの星空スポットがありますね。私もまだまだ知らないところや行けてない場所がたくさんありますが、
登山と星空のセットであれば、3月ごろの高見石小屋などもおすすめです。

新月期に晴れていればたいていどこかで星を見ているので、きっとまたお会いできると思います。
その時を楽しみにしています!

  • 2022/11/11 (Fri) 00:57
  • REPLY