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CP+2024に行ってきた

CP+2024に行ってきたので、天文・星関連の出展品を中心に感想をまとめたいと思います


1.ZWO

初めてZWOがCP+に出展
コマ数としては1コマのみで、展示品はAM3+FF65-APO、AM5+FF107-APOおよびSeeStar、その他天体カメラなど。展示を見せるというよりも日本のユーザーの声を聴きに来てくれたのかなという感じで、自社ブースにとどまらず後述するサイトロンジャパンブースにも社長自ら頻繁に訪れてユーザーや関係者と会話をしていたのが印象的でした。

右端の方がZWO社長。その左側が丹羽さん。
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にこやかに意見交換をしているところを撮ったつもりだったのですがそうなりませんでした。すみません。

せっかくなので私からも「1台のASIAIRで2台のカメラ制御できるようにしてください」とお願いしたところ「世界中のユーザーからその声をもらっている。検討はしているがユーザーインターフェースの設計がとても難しい」という回答をいただきました。考えることはみんな一緒なんだなと思うと同時に、現状のGUIを見れば、カメラを2台コントロールするGUI設計はそりゃ大変だよなぁと納得してしまいました。「それでもやってくれると信じてるからね!」と伝えておきました。

中判カメラASI 461MM-Proの現物を初めて見ました。
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隣に置いてあるカメラはAPS-Cセンサーになります。こちらの中判カメラは200万円もしますが、これを生かし切ることのできる鏡筒は現状SFQ-106ED+645レデューサー、CCA250+645レデューサー、VSD90SSくらいでしょうか。ただ、センサーを大きくすることで広角側に振れてしまうことを考慮に入れて、ここまでの大判センサーが必要なのかな??というのが正直なところではありますが・・・。


2.ビクセン

天体撮影ガチ勢的な注目製品はやはりVSD70SS。口径70mm焦点距離385mm F5.5というスペック。
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先日デリバリーが開始されたVSD90SSの小型版という感じで性能にも期待できそう。
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PENTAX645Zでの作例が掲示されていましたが、ご覧の通り右下隅でもこの星像。
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VSD90SS同様の超高性能を期待してよさそうですが、この形状だとアリガタと干渉してEAF取付用のブラケットが付けられない気がします。聞きそびれましたが製品版では改善してくれるでしょう。

VSD90SS/70SS両対応(VSD100には非対応)のレデューサーも展示されていました。かなりずっしりした重さで気合の入った設計が伺えます。
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VSD90SSは495mm F5.5→351mm F3.9
VSD70SSは385mm F5.5→273mm F3.9
となります。70SSにレデューサーつけてAPS-Cセンサーを組み合わせたら使いやすそう。

そのほか、直焦ワイドアダプター60DXの48mm接続が出品されていました。
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現行製品としてはCanon EFとNikon Fマウント版の2つがあったかと思いますが、やっと48mm版が出たのねという感じ。ZWOのフルサイズセンサー機や2600MC Duoに採用されている54mm版もあればよかったと思うところです。そういえば光路長聞いてくるの忘れたな・・・よくあるバックフォーカス55mmに最適化できる厚みになっているんだろうか。
それから、ZWOのフルサイズカメラや2600MC Duoで使われている54mmも出してくれると喜ぶ人が多い気がします。

VA225Cというガイドカメラも製品化予定。見た目はかっこいいですが、カメラ部分がが太くなっていて差し込み部分が短いようです。実際の使い勝手はどうでしょう。
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そのほか、モバイルバッテリーをウェイトとして使えるアダプターも開発中とのこと。
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展示品ではバッテリー一つだけのホルダーでしたが、ウェイトにするにはバッテリー一つでは不足するため、せめて2つ分、できれば4つ分くらいまとめて保持できる形にできるとよいなと思いました。


3.ケンコートキナー

星景写真界隈にとっての注目はなんと言ってもリアソフトフィルター。ついにケンコートキナーが製品化してくれました。
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Leeのポリエステルタイプフィルターが廃盤になって以来代替品のないまま数年間が経ってしまいましたが、これで安心して手持ちのLeeフィルターを使い切れます。
効果弱中強の3タイプがセットになっていましたが、作例では従来製品との比較が難しいように感じました。お話を伺ったところ、本製品の「強」が従来のプロソフトン(A)相当の強さになるように設計していて、「弱」がプロソフトンクリア相当 とのこと。
台に立てかけた状態で自立していることからも従来のLeeフィルターより厚みがありそうに見えましたが、実際に「Leeよりはコシのある造りになっています」とのこと。
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発売は2024年6月ごろの予定。お値段は未定だそうですが「3枚セットで5桁いきますか?」と食い下がったところ「5桁はおそらくいきます」とのこと。値段はともかく製品化してくれたことに感謝を伝えておきました。
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発売されたら買って使ってみたいと思います。

4.マルミ

マルミからはStarScape Kitというのが発売される模様。
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左のMagneti Slim StarScapeフィルターがいわゆる吸収型の光害低減フィルタ―となっていますが、こちらはねじ込み式になっています。その上にWhite Power Mist 1/2または1/4を磁力で装着して使用するものになります。この2枚のフィルターで光害カットと星座強調を実現する形になります。
ケンコートキナーやサイトロンジャパンからはすでに出ている光害カット+星座強調を1枚で賄うフィルターについては比較動画も作りましたが、マルミのは2枚のフィルターとなります。
一見、フィルター2枚に分かれていると使いづらいのではと思いますがさにあらず。
私の場合夏の天の川では星座強調のソフトフィルターは使いません。一方で光害低減は可能であれば通年使いたいフィルターです。
スターエンハンサーやスターリーナイトプロソフトンは光害低減と星座強調が1枚にまとまっているため使用できるのは冬場限定となり、夏の天の川では光害低減のみのフィルターを別途用意する必要があります。今回のマルミの製品はStarScapeであれば付けっぱなしにして冬場だけWhite Power Mistを追加するという使い方が可能になるため一定のニーズはありそうです。

私はすでに同社のMagnetic SlimのNDフィルターキットを動画用に持っていますが、磁力装着の便利さはよく理解しています。NDフィルターは昼間しか使いませんが、真っ暗な撮影現場においてソフトフィルターの脱着を磁力でできるというのは魅力的。こちらのキットも検討してみてよいかもしれません。


5.サイトロンジャパン

天体撮影ガチ勢的な注目はなんと言ってもこちらの屈折鏡筒でしょう。
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6枚玉、口径75mm焦点距離375mm F5というスペック。奇しくも先述のVSD70SSとほぼ同じスペックですが、もちろん両社で示し合わせたわけではありません。なにがしかの市場調査を経て決定されるスペックですから、両社ともこのクラスの鏡筒に一定のニーズがあると判断したのでしょう。
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同社の新製品紹介セミナーのスライド。
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スポットダイアグラムは通常5波程度の合算で示されることが多いとのことでしたが、会場で展示されていたダイアグラムは11波の合算とのこと。同製品に対する開発者の自信が伺えます。
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※像高情報が抜けていますが、左端が中心、右端が22mm(フルサイズ最周辺)です


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VSD70SSと違ってこちらの鏡筒の完成度はまだこれからという感じではありましたが、EAF追加はもちろん考慮されていて、粗動ノブは取り外し可能になっているとのこと。フォーカサー固定部分にはEAF用ブラケット設置用の穴は開いておらず。これから対応するとのこと。
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展示品はフードを伸ばした状態とのことでしたが、この状態だと鏡筒バンド(MOREBLUEのφ90mm)に干渉してしまいフードの収納ができません。
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かといってバンドの間隔を縮めるとちょっと不安定になりそうです。そのほか、ドロチューブの引き出し量が短い気がするといった細かいところもこれからブラッシュアップされていくとのことでした。回転装置の滑らかさはかなりいい感じだったということも合わせてお伝えしてきます。
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ほとんどの望遠鏡がそうであるように、こちらの鏡筒もレンズヒーターを設置する場所が用意されていない(または指定されていない)のも気になるところ。SIGMAやPentaxの広角レンズにはヒーターに配慮した製品も出てきていますし、SeeStarにはヒーターが内蔵されています。そろそろ天体望遠鏡にもヒーター内蔵しているとか設置位置を指定してくれる製品が出てきてくれてもいいものなのですが。

もうひとつ、新規開発中の口径50mm F10.8の屈折望遠鏡。注目すべきは
フォーカサーハンドルとヘリコイド部が3Dプリンター製だったところ。20240224_174211_R.jpg
フォーカサーハンドルはともかく、ヘリコイド部はそこそこの精度が必要な部品のはずですが、そこを3Dプリンターで試作できてしまうのですからすごいです。試作品であれば金型を起こすわけにもいかず従来であれば削り出しか何かで対応せざるを得ない個所ですが、こんなところにも3Dプリンターの威力が見られるものなのかと感心してしまいました。


2023年秋の小海星フェスでも展示されていた波動歯車型赤道儀も先ほどの375mm F5.5屈折望遠鏡を載せる形で展示されていました。
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こちらも製品化まではまだ時間がかかりそうではあるのですが、本体重量10kg、搭載可能重量20kg(バランスウェイト使用時)という比較的大型の鏡筒が載せられるスペック。かなり余裕を持ったスペックを提示しているそうで、実際にはもう少し重いものも載せられるそうです。
波動歯車赤道儀を愛用している私自身としても、重たいウェイトを使った厳密なバランス調整が必要になる従来型の赤道儀はもはや選択肢には入りません。
2024年2月時点で波動歯車赤道儀は中国韓国メーカーのものがほとんどですが、国産赤道儀として有力な選択肢になる可能性は大きく、期待の製品です。

続いてはこちらのステラグラス。
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天リフさんのツイートがおバズりなさっておりましたが、


明るいところだと効果はわかりづらいとのことでしたが、実際にかけて見て遠くにある文字を見てみるとわかりやすい効果がありました。(私の場合は裸眼で)意識して無限遠を見ようとするとフォーカスが安定しないような感じになるのですが、このメガネをかけると無限遠のフォーカスの安定感が増すと同時に解像が向上するような印象を受けました。
2023年秋の小海星フェスで極少数販売されたそうなのですが、存在すら知りませんでした。発売されたら購入して使ってみたいと思います。

それからこちら。
Player OneのZEUS-C ProとM-Pro
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小型センサーがラインナップの中心だったPlayer Oneも、ついにフルサイズカメラを投入に至ったということに注目です。ASIAIRはZWO社製カメラしか使えませんが、ZWOに縛られたくないという層は一定数存在するため、着実にユーザーを増やしていきそうな気配を感じます。

同社製三脚のこちらSCT-33/AD-SWにも注目。
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一見テーブル三脚に見えますが、足を全部伸ばすと740mmとそこそこの高さに。RST-135とRedCat51クラスの小型望遠鏡なら余裕で支えられそうです。2024年2月28日発売、税込み7万弱とそこそこのお値段になりますが、荷物のコンパクト化に大きく寄与するこちらの三脚、買って使ってみたいと思います。

クソデカ屈折185APO
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の対物レンズ。
口径185mm 焦点距離 1295mm F7とバケモノじみた屈折鏡筒となっております。

大きさ比較のために、手前に80PHQを入れてみましたが写真が下手すぎてやっぱり大きさが伝わりません。
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私が買うことはまずないでしょうけれど、金色の装飾と相まってとにかく見た目のインパクトはすごかった。

続いてこちら。HAC125です。
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口径125mm焦点郷里250mm F2という望遠鏡です。
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従来の反射望遠鏡でいう副鏡部分にカメラを設置できるようになっていて、フォーカサーもここ(下記画像親指部分)についています。
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F2の明るさを生かした電子観望用途がメインのユースケースだとは思いますが、バッテリー&無線を内蔵したスティックタイプのカメラがいつか出てきたらケーブルによる遮蔽もなくガチ撮影にも使える可能性があり、ちょっと興味深いです。

6.BORG

昨年に引き続き125FLと超軽量カーボンの展示。
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確かにこの軽さは唯一無二の魅力であるとは思うのですが、撮影用となると補正レンズのなさがやはり苦しいというのが正直なところ。従来のマルチフラットナーが使えるとは聞きましたが、その組み合わせで性能がどれだけ出るのかを実際の画像で見せてもらえればよかったと思うところです。今どきお願いすれば誰でもやってくれそうなものなんだから、誰かにお願いすればいいのに。いや別に私にやらせろとかそんなつもりもないですけれども・・・

昨年私は「このカーボン素材を使ってφ80の鏡筒を出して、従来の107FL 90FL等をさらに軽量化するのも良いのでは」と書きましたが、それを伝えたところ「まずは125FLとカーボン鏡筒を世に出すところから」というコメントだったので、鶏と卵状態。となると125FLで稼ぐためにも同鏡筒での作例が欲しいなぁと思うところです。

モチベーションは高そうというのは担当の方とお話をしていて伝わってきましたが、なにより情報発信がほとんどないというのが残念ポイント。そもそもBORGの情報発信が途絶えたのって107FL発売前後だったはずで、125FL以前に107FL+レデューサーの評価すらあまり見かけたことがないですね。むしろ107FLの情報発信に積極的に取り組んで現行製品の売り上げを伸ばすのはいかがでしょうか。とにかくどうにか復活してほしいと願うばかりですが。



7.Leofoto

ここ数年のうちにすっかり三脚のリーディングメーカーになった感のあるLeofoto。私もカメラ用の三脚はほとんどが同社製ですが、このピンクの三脚LY-265CF(PK)は追加で欲しい。
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ニュースでピンク三脚の存在は知っていましたが、実際に見てみるとインパクト大。暗闇でも黒い三脚より目立ちそうですし、単に見た目だけにとどまらないメリットもありそうです。
ピンクと聞くと思考停止する人。



8.NITECORE

NITECOREと言えばヘッドライト。私も同社のヘッドライトを一つ持っています。CP+に出展するなんて珍しいなぁと思いつつ、せっかくなら「天体撮影用に暗いヘッドライト出してください」というお願いをしに行ってみるかと思ってブースに伺ってみるとこれ。
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んん?

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扇風機?ライトの展示は?

・・・モデルさんに風を当てるための扇風機の展示だけでした。ホコリ飛ばし用のブロアの展示もありましたが、残念ながらライトの展示はなかったため、お話しすることもなくブースを後にしました。
モデルさんに風を当てるならセーラー服は重いからレースのドレスとかにしたほうがいいなー、などと余計なことを考えていました。




9.まとめと個人的な感想

4日間の会期のうち2日目の午後、3日目の午後の参加でしたが、天文関連はやはりサイトロンジャパンに勢いを感じました。
同社は天文関連のみでなくLAOWAやKAMLANといったメーカーのレンズも扱っており、特にシネレンズ関係は若い映像クリエイターと思われる方が熱心にスタッフに質問していたのも印象的でした。どうしても年配の方が目立つ天文民とは対照的な印象もあり、天文に限らずサイトロンジャパンの戦略は注目に値すると感じました。
本文中では触れませんでしたが、24日のSam氏あぷらなーと氏の講演も大盛況。私もブース内で聞かせてもらいましたが、30人程度の方が直接ご覧になっていたでしょうか。Youtube配信の同時接続数も軽く100を超えていたそうで、お二人の注目度の高さが伺えます。

ビクセンブースも昨年より力が入っていた印象で、比較的小さいブースながらもいつ行ってもお客さんで混雑していたように見えました。サイトロンジャパンブースは天文ガチ勢っぽい人が多かったように見えたのに対し、ビクセンブースは女性を含めライト層の比率も高いように見受けられました。サイトロンジャパンはスタッフがスーツだったのに対し、ビクセンブースは全員がビクセンカラーの赤いシャツで統一されていて親しみやすい雰囲気を出していたのも効果があったのかもしれません。

星景写真方面でもリアフィルターが復活する、各社から光害低減フィルターの提案がある、SIGMAからは15mm F1.4 の対角魚眼レンズが発表されて星景写真訴求がされていたなど、以前にもまして注目度が上がっているように感じました。

私個人としては、多くの方に「Aramisさんですか?」と声をかけていただいたのが印象に残っています。改めて考えてみると天文界隈で顔出しして活動している人はトップクリエイターを除きそれほど多くないため、Youtubeを見てくださっている方にはわかってしまうのでしょうか。そこらへん私以上の認知度を誇るであろう丹羽さんとかどうだったんだろうか。こんど聞いてみよう。
お声かけいただいた皆様、ありがとうございます。名刺は蓄光素材でできているので暗いところでご覧いただければと思います。

サイトロンジャパンブースには私の作品(天体写真コンテスト受賞作品)も展示されていましたが、印刷を見て初めて受賞の実感がわきました。別の方の受賞作を見ていた時に、私の作品をまじまじと見ながら「すげぇ・・・」と言っている来場者の方を横目で見たときは「おおおお・・・!」ってなりました。同時にSharpstar/Askarの製品カタログの中のZ4の作例としても採用いただき、ありがたい限りでございます。

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